2023/12/25 - 09:31

アーカイブ「甲状腺がんの子どもの声を聞く」~子どもの権利から考えるシンポ

子どもの権利条約が締結された11月20日は国際子どもデー。この前後の日程で毎年、国内で開催されている「子どもの権利条約フォーラム」の関連イベントとして、子どもの視点から甲状腺がん問題を考えるシンポジウムが11月25日、豊田市市民活動センターで開催された。

311子ども甲状腺がん裁判弁護団の田辺保雄弁護士が、甲状腺がんの子どもをめぐる課題について問題提起した後、裁判の原告として最も若い18歳の女性が、震災からこれまでの経験を語った。

原告の話を受け、長年、子どもの権利条約の問題に取り組んできた子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)運営委員・平野裕二さんは、国連子どもの権利委員会の一般意見に基づき、被害を受けた側ではなく、企業側に立証責任を求める「挙証の転換」が図られるべきだと指摘。政府や東電の側はいたずらに因果関係を否定するのではなく、早期に非を認めて、救済するべきだと述べた。

また、国際子ども権利センター(シーライツ)代表の 甲斐田万智子さんは、甲状腺がんの子どもが、健康に生きる権利をはじめ、教育を受ける権利や意見を表明する権利、差別されない権利など、あらゆる権利を侵害されていると指摘。原発事故後に甲状腺がんとなった日本の子どもたちは、「最も困難な状況の子どもたち」といえるとして、少しでも見える化したいと力を込めた。

さらに、元愛知県弁護士会子どもの権利委員会委員長の杉浦宇子さんは、震災後、苦しみを訴えられない子どもに対する相談窓口など公的システムが存在していない状況を批判。日本では、政治家も、官僚も、財界人など、権力を持つ大人が、子どもの問題に無頓着だとしたうえで、それをやらせていくのは、市民の声だと訴えた。

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