トランスジェンダーの人が戸籍上の性別変更を行う際、生殖腺を除去する手術が必要とする法律の違憲性を問う家事審判の最高裁判断に向け、当事者や支援者らが5日、違憲判断を求める要請書を最高裁判所に提出した。最高裁では9月27日に弁論があり、年内に判断がでる見通し。
要請書を提出した映像クリエイターの木本奏太さんは「ホルモンが切れると、身体がだるくなったり、急に眠気が出たり、日常生活がままならなくなるときがある」と指摘。手術によって生殖腺を失うと、性ホルモンが分泌されなくなるため、一生涯、性ホルモンを投与し続ける必要があり、それを止めると、更年期障害のような症状を起こすという。LGBT法連合会の野宮亜紀さんは「災害などで医療機関がストップしたときに健康上の問題が出てくる」と不安を口にした。
東京レインボープライド共同代表の杉山文野さんは「少数派の権利を多数決で決めようとし続ける限り救いがない。司法が唯一の救いであり公平な判断をしてほしい」と最高裁の判断に期待を寄せた。