水俣病患者と認定されず、特別措置法の救済策からも外れた関西などに住む128人が国や熊本県、チッソなどに損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁が27日に原告全員を水俣病と認定した判断を下したことを受け、原告らが国に控訴を断念するよう申し入れた。
原告の女性は環境省の職員に申入書を提出し、「高齢化した被害者が亡くなる状況を放置するのは人道的に許されない。加害責任を自覚すべきだ」と声を震わせた。原告・弁護団は、国に謝罪と和解交渉入りを求める「解決基本要求」も提出。不知火海沿岸に居住歴があり、手足の感覚障害などの症状がある人を対象にした一時金の支給や、特措法が規定した不知火海沿岸の住民健康調査などについて、早期に実現するよう要請した。