今月、成立した改正入管難民法が来年施行されるのを阻止しようと市民らが24日、全国各地をインターネットで結び、集会を開いた。200人以上が参加した。
集会を呼びかけたのは、スリランカ人の女性ウィシュマ・サンダマリさんが2021年に、名古屋の入管施設で亡くなったことをきっかけに学生や市民らが作った団体「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」。難民支援に取り組む駒井知会弁護士は「施行を止めるために、全国の皆さんが、今の段階で集まり力を合わせることが重要です」と訴えかけた。
また難民支援に取り組む若者でつくる団体「BOND」の鎌田和俊さんは「やるべきことがたくさんある」と話を切り出すと、「未だ解決していないウィシュマさん事件の真相究明」「未成年当事者への在留ビザの許可を求めていく」と共に、国会審議中に「入管によるずさんな難民審査」が明らかになったこと、さらに「今年1月に大阪入国管理局の常勤医師が酩酊状態で診察行為をしていた」ことを知っていながら法務省は国会で追求されるまで「公にしてこなかったこと」などを指摘。これらの問題を社会に訴えかけることで世論の声を高め、施行を阻止するねらいだ。同団体の真栄田早希さんは「改正案が成立してしまったのにこれだけの人が集まったのは希望です」と前を向いた。