入管法改正案をめぐり、与党による強行採決の可能性があった5日、国会議事堂前で抗議する集会が行われ、5500人が抗議の声をあげた。
「私たちの怒りをなめないでほしいです!」
都内の大学生が声を枯らしながら懸命に訴えると、難民問題に取り組む児玉晃一弁護士は「諦めなかったことによって、入管の問題が続々と明らかになった」「頑張りましょう!絶対に諦めない!」と呼びかけた。
6日の採決は免れるも、9日に参議院本会議で可決
立憲民主党は6日朝、齋藤健法務大臣への問責決議案を参議院に提出した。これにより、6日の法務委員会は中止となり、この日の採決は免れた。しかし、問責決議案は7日の本会議で否決、8日に法務委員会で再び強行採決され、9日の参議院本会議で可決された。
立法事実に疑義が続出
入管法改正案の議論をめぐっては、今月3日、柳瀬房子難民審査参与員が自身が担当した対面審査について「1年間に90人〜100人くらい」などと述べている音声データを難民支援に取り組む弁護士らが入手し、緊急の記者会見を開いた。弁護士らは、同氏が21年4月に国会内で参考人として発言した内容などから、1年半で500件の対面審査を行ったことになり、音声データの内容と矛盾していると指摘した。
また、4日には大阪出入国在留管理局の常勤医師が酩酊状態で診察を行っていた疑惑についての緊急記者会見が開かれ、問題となった医師は、常勤となった22年9月から、収容されている人に対し暴言を吐くなどの行為が行われていたことを関西を拠点とする支援団体が明らかにした。21年に発生したスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん死亡事件後の入管の医療体制について、政府与党は、今年2月には当該医師の問題について報告を受けていたことを公表せず、医療体制は改善している旨を主張し、法案提出に踏み切っていた。