政府が来年度予算で、防衛費を大幅に増額し、先制攻撃が可能なミサイルの購入を予定していることをめぐり、市民らが2月13日、防衛予算の使途を明らかにすることを求める集会を開いた。市民50人に対し、防衛省からは26名が出席。しかし、アメリカ合衆国で開発された巡航ミサイル「トマホーク」を何機購入するかも明らかにしなかった。
市民らは、防衛費予算案の内訳に関する質問を20項目、防衛省に提出。米国の先制攻撃に使われてきた「トマホーク」の取得費用に2,113億円が計上されているのに対し、弾道ミサイルを迎撃するミサイルの取得費は595億円と、先制攻撃として利用されている兵器に予算が偏重している理由について、防衛省は「トマホークは、スタンド・オフ・防衛能力を速やかに強化する観点から、島嶼部を含む我が国に侵攻する上陸部隊等に対処するために導入することとしています」「弾数や単価については、これを明らかにすれば我が国の具体的な防衛能力を明らかにすこととなる」として、回答を避けた。
集会後に行われた市民による記者会見で、市民団体『すべての基地に「NO!」をファイト神奈川』木元茂夫さんは、防衛費予算案の内訳について、「相手を攻撃するミサイルの購入費がすごく高い」 とし、特に敵基地攻撃能力を持つミサイル「トマホーク」の購入について問題視。また、購入する数も不明であると批判した。
また市民団体『武器取引反対ネットワーク(NAJAT)』の杉原浩司代表は、「日本政府としてトマホークの取得が決定する前に、岸田政権が暴走し、私たちの知らないところでトマホークの購入をアメリカと交渉していた」「これは脱法行為であり、あってはならないこと」と厳しく批判した。