12月10日午前、自民党本部前で、杉田水脈総務政務官の更迭を求める緊急抗議デモが行われた。前日夜の呼びかけに関わらず120人以上が集まった。
発端となったのは、12月8日の国会で杉田水脈総務政務官が「LGBTは生産性がない」など自身の過去の差別発言について、「私のつたない表現で差別したかのように伝わってしまったことを重く受け止め、お詫びし、取り消しをさせていただいた」とした答弁。デモを主催した市民団体「STAND FOR LGBTQ+ LIFE」 共同発起人のWineさんはこの答弁について、「自身ではなく発言の受け取り手の問題であるかのように、自身の言葉から責任逃れに終始」と指摘。「辞任、更迭を求めます。そして自身の差別行為を認め、傷つけてきた人たちに直接謝罪するよう求めます」と強く抗議した。
「本当にこの国は狂っている」
この日の抗議デモでスピーチした「婚姻の平等裁判」東京2次訴訟原告の山懸真矢さんは、杉田氏が差別について学ぼうとせず当事者に対する謝罪もしていない状況を非難。で、総務政務官という立場にいることを国が許していることについて、静かな口調で「本当にこの国は狂っている」と訴えた。
江戸川区で「LGBTコミュニティ江戸川」を運営する七崎りょうすけさんは、「私は拙い表現だとは思いません。むしろ差別主義者やヘイト集団を焚き付けてその先頭に立とうする意思さえ伝わる」と指摘した。
在日コリアン4世「民族名を公表するだけで恐怖を覚えます」
杉田氏は過去のブログで、アイヌや在日コリアンを「民族衣装のコスプレおばさんまで登場」などと揶揄。抗議デモに文章を寄せた在日コリアン4世の大学生は、杉田氏を含む様々な政治家や、影響力のある人物からの差別発言を受け、「民族名を公表するだけで恐怖を覚えます」と不安を綴り、これらの問題を放置してきた社会に対する不信感をあらわにした。
市民団体「STAND FOR LGBTQ+ LIFE」 は同日、杉田水脈政務官の更迭を求める要望書を自民党に提出。12日までに回答するよう求めている。