社会学者の開沼博東京大学大学院情報学環准教授が、OurPlanet-TVの記事によって精神的な苦痛をこうむったとして、OurPlanet-TVに500万円の損害賠償を求めて、東京地方裁判所に提訴した。
訴状によると、「慶応大生が開沼博氏を提訴〜名誉毀損で」と題する記事が、開沼氏が「学生に対して事実無根の恫喝行為を繰り返す大学教員であるとの印象を与えるもの」だと主張。開沼氏の社会的な評価を著しく低下させたと訴えている。また、記事に登場する原告の慶應大学生(当時)と代理人の弁護士についても、プレスリリースの配信や記者会見を実施したことが名誉毀損にあたるとして、500万円の損害賠償を請求している。
OurPlanet-TVは、取材した事実に基づき、報道機関として報道した内容であり、名誉毀損には当たらないと考えているとしている。第1回口頭弁論期日は11月4日。
開沼氏は、経済産業省経済産業省汚染水処理対策委員会多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会委員をはじめ、東京電力福島第一発電所事故に伴って設置された複数の公的委員会で委員などを務めている。一方、訴えられたOurPlanet-TVは、2001年から活動を開始した非営利のインターネットメディアで、同原発事故後に関する動画や記事を多く配信している。