「国の責任」判断へ〜最高裁で3度目の弁論
東京電力福島第一原発事故の責任が国にあるのかーー。原発事故の被災者が国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟のうち、上告中の4つの訴訟で、2審の判断が分かれた「国の責任」をめぐる審理が、最高裁判所で行われている。25日は、約3600人の原告が訴えた最も規模が大きい「生業裁判(福島訴訟)」の弁論が開かれた。
1審と2審ともに、国の責任が認められた「生業訴訟」。事故当時、福島県富岡町の直線距離でおよそ7キロほどのところにあります。深谷敬子さんは「私にとって大事だったもの全てが原発事故によって奪われました。」「何が・どこが悪かったのかきちんと明らかにして、二度とこのような被害を繰り返さないようにしてもらいたい」と訴えた。また、原告側の弁護士は、政府の地震本部が策定した「長期評価」の信頼性は明らかと主張した。
原告側の弁護団・馬奈木厳太郎弁護士は記者会見で、、「原子力発電所がどの程度の安全性を確保されなければならないのか。規制のあり方というのはどうあるべきなのか。歴史的な判決が示されることになることは間違いないと確信している」と判決への期待を述べた。
原発事故のおける「国の責任」をめぐっては、4月15日に千葉に避難した住民らによる「千葉訴訟」、23日に群馬に避難した住民らによる「群馬訴訟」の弁論が開かれ、25日が3回目。この後、5月16日に愛媛に避難した住民らによる「愛媛訴訟」の弁論が開かれて結審する。原告弁護団らは6月中には、判決が出ると見ている。