東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質により小児甲状腺がんを発症したとして、事故当時、福島県内に住んでいた6~16歳の男女6人が27日、東電に計6億1600万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。原告弁護団によると、住民が被曝による健康影響を理由に損害賠償を訴える集団訴訟は初という。
「差別を受けるのではないかと恐怖を感じ誰にも言えずこの10年を過ごしてきました。」
提訴後、20代の原告が匿名で記者会見の登壇。バリバリ働くキャリアウーマンを目指していたものの、病気になってから体調が悪化し転職したと、時折り、声をつまらせながら語った。そして、同じように苦しんでいるほかの甲状腺がん患者のためにも、「6人が声を上げることでこの状況を少しでも変えたい」と裁判にかける思いを訴えた。
会見では、原告の母親も登壇。「原発事故と病気との因果関係について、決着させたい」と提訴した理由を述べた。母親は、息子が経過観察を経て手術をした経過をみても「過剰診断」はありえないとし、県や国の主張に疑問を呈した。
原告がボイスメッセージで支援呼びかけ
会見後、同じ会場で、支援集会が開かれ、100人ほどの市民が駆けつけた。集会では、原告がボイスメッセージを寄せ、自らの治療の経験や思いを語り、支援を呼び掛けた。
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