旧優生保護法下で障がい者らが不妊手術を強制された問題をめぐり、東北大学の学生らでつくる団体が29日、国による謝罪と補償を求めた署名1万6000筆を国会議員に提出した。国会議員を通じた請願署名として、1月に召集される通常国会に提出される見通し。
署名を呼びかけたのは、東北大学の学生らでつくる「強制不妊訴訟 不当判決にともに立ち向かうプロジェクト」のメンバー。全国の障がい者団体などと連携し、2年間で約1万6000筆の署名を集めた。
メンバーのひとり、東北大3年生の池澤美月さんは、「国が行った人権侵害というのは本当に凄まじいもの。このことを国会全体で理解して謝罪と補償をし、今後、優生思想や障害者差別をはじめとした様々な差別がなくなるように動いて欲しい」と述べた。また、同じくメンバーの山﨑睦子さんは「ひとつひとつ重みを感じる署名なので、形式的に処理するのではなく、国の責任でやったことに対して謝罪と補償を求めていることを理解し、それを示していただきたい」力を込めた。
第1条に、「優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止する」と掲げていた優生保護法。この法律を根拠に、全国2万人以上の障害者などが強制的に不妊手術を強いられた。人権的に問題があるとして、1996年に法改正がおこなわれたものの、国は、謝罪も補償も行っていない。国会で2019年に、一時金320万円を支給する救済法(一時金支給法)が成立したが、被害者への明確な謝罪も十分な補償も行われていないなどとして、被害者は抜本的な救済法を求めている。現在、全国で裁判が争われているが、地方裁判所で判決が出た5つの裁判で、原告の訴えが退けられている。
強制不妊訴訟 不当判決にともに立ち向かうプロジェクト
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優生保護法救済弁護団
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