2021/11/17 - 21:37

「核燃サイクルをやめろ」MOX燃料到着で緊急行動

福井県の関西電力高浜原発に17日、使用済み核燃料を再処理して作ったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX燃料)がフランスから到着した。これを受け、核燃料サイクル政策に反対する市民らが国会前に集まり、抗議の声をあげた。

緊急抗議行動を呼びかけたのは、「さよなら原発100万人アクション実行委員会」。核燃料サイクルに反対する市民ら40人ほどが駆けつけ、「核燃料サイクルをやめろ」などシュプレヒコールをあげた。原子力資料情報室の片岡遼平さんは、「MOX燃料はプルトニウムを再処理し抽出しているため、万が一事故が起きた際は通常の燃料よりも被害が大きくなる」「現状では、使用済みMOX燃料の再処理施設はなく、見切り発車している」と批判。コストもリスクも大きなMOX燃料の使用をただちに停止するべきだと訴えた。

「高速増殖炉」失敗を尻拭いする「プルサーマル発電」

MOX燃料は、使用済核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウラン燃料を混ぜた燃料で、現在、日本では作ることができない。 今回の燃料は、フランスの核燃料加工会社で製造したもの。本来は、福井県敦賀市にある高速増殖炉もんじゅなどで使用する予定だった。しかし もんじゅのトラブルが続いたことから、本来はウラン燃料のみで発電する軽水炉でMOX燃料を使用するプルサーマル発電が浮上。東京電力福島第一原子力発電所事故前の2010年に、福島第一原発4号機、高浜原発3・4号機、四国電力伊方3号機、九州電力玄海3号機の5基でスタートした。

日本以外で世界でMOX燃料で発電をしているのは、フランスのみ。MOX燃料搬入の受け入れは2017年9月以来7回目。

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。