2010/08/06 - 18:00

【世界のオルタナティブメディア】オーストラリアコミュニティラジオ連盟(オーストリア)

【世界のオルタナティブメディア】オーストラリアコミュニティラジオ連盟(オーストリア)

1993年まで政府による放送の独占が行われていたオーストリア。しかし一方で、非営利的な「自由ラジオ」も盛んに活動を展開していた。そんな人々の声をまとめ、放送免許獲得の取り組みを進めたオーストリアコミュニティラジオ連盟とは―。

 80年代後半から90年代初頭にかけて、オーストリアでは13のコミュニティラジオ局が海賊放送を始めました。コミュニティラジオとは、非商業・非営利目的で、誰もが参加することのできる「自由ラジオ」です。その当時は政府が放送を独占しており、このようなラジオ局は、マイノリティや学生運動、そして社会的、文化的運動と密接な関係を持つ活発な市民グループが始めました。
 
 1993年まで、国内ではものすごい数の「自由ラジオ」が精力的に活動していました。彼らは、マスメディアから取り残されている人々を含め、誰もに開かれたオープンなラジオ放送の重要性を訴えました。そんな中、オーストリアコミュニティラジオ連盟が設立されたのです。
 
 オーストリアコミュニティラジオ連盟は、連帯して政治的なアクションをするためのプラットフォームとして、また「自由ラジオ」をこれから始めたいグループを支援するために設立されました。政府に働きかけていく中で、独立した放送形態を持ち、自由なコミュニケーションが生まれるラジオ放送を求める声も高まっていきました。そして、1998年に初めて、5つのコミュニティラジオ局に放送権が認められたのです。その内3つはウィーンなどの都市部にあり、2つは少数民族のための多言語放送を行っていた地方都市のラジオ局でした。
 
 現在、コミュニティラジオは国内の約半分の地域で放送されており、近い将来、国民の3分の2以上が耳にすることができるようになるでしょう。また、このようなラジオが移民グループにとって欠かせない存在となっており、今では、25言語以上の番組があります。多言語放送をすることによって、社会的に排除されている人々との対話を生み出すことができると思っています。(オーストリアコミュニティラジオ連盟理事 ヘルムート・パイスル)

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