写真提供 主催者
今年の2月1日に、ミャンマーで軍事クーデターが発生してから4カ月が経った6月1日、国会周辺では日本政府の対応についての抗議が相次いだ。
総理官邸前では、メコンウオッチや国際環境NGO「FOEジャパン」など4つのNGO団体が抗議行動を展開。およそ40人が集まり、ODA・政府開発援助など日本の公的資金がミャンマー国軍の活動の資金源になっている恐れがあるとして、日本からの経済支援をただちに断ち切るよう訴えた。
抗議行動には日本在住のミャンマー人も参加。「国軍の暴力によって子たちも大勢、犠牲になっている。日本政府がいままで行ってきた支援のやり方を見直してほしい」と求めた。ミャンマーに対する経済支援をめぐっては、欧米諸国はクーデター直後に制裁を科したが、日本にいたっては先月、茂木外務大臣が「このままの事態が続けば、ODAを見直さざるをえない」と、停止を検討することを明らかにしたばかりで具体的な行動には至っていない。
文化人ら立ち上がる
ミャンマーの惨状に文化界も声を上げた。音楽家の坂本龍一さんや作家の瀬戸内寂聴さんなど67名が日本政府に対し、ミャンマー軍や関係者への制裁を求める共同声明を発表した。
議員会館で開かれた会見には、作家の落合恵子さん、音楽評論家の湯川れいこさんらが参加。落合さんは「ミャンマーでは流されなくてよい涙がどれほど流されているか、この国は知っているのか」と、国軍と“特別なパイプ”を持つとする日本政府に具体的な行動に出るよう訴えた。
会見にはミャンマーで1か月近く拘束され、5月に帰国したジャーナリストの北角裕樹さんも出席。「日本で1人1人が声を上げれば、それが流れを変える動きにつながる」と呼びかけた。
ミャンマーの人権団体AAPPによると、6月1日時点で、国軍の弾圧で841人が犠牲となり、いまだ4,400人を超える人たちが不当に拘束されている。