国は4日、東京電力福島第一原発事故で唯一全町避難が続く双葉町の帰還困難区域など一部地域の避難指示を解除した。
解除されたのは、帰還困難区域のJR常磐線双葉駅と駅前、避難指示解除準備区域の町北東部の浜野・両竹地区などの地域で、町面積のわずか4%。双葉町の場合、避難指示解除はするものの、町民の帰還を前提としていない。
同日午前0時、避難指示の解除とともに、国道6号線のバリケードが撤去された。町は午前9時に、双葉駅前に役場の連絡所を開設。住民票の交付や、一時帰宅で訪れる住民からの相談などに応じていくという。
帰還困難区域で初の規制緩和、24時間立ち入り自由へ
また、帰還困難区域にある双葉駅周辺の特定復興再生拠点区域(約5.5平方キロメートル)の規制が緩和された。宿泊は出来ないものの、誰もが自由に許可証なしで立ち入ることが出来る。しかし、町を歩くと、建物のガラスは割れ、看板や壁が倒壊したまま。場所によって放射線量も高い場所もあった。
町は、住宅などインフラ整備を整えて、2022年春の住民の帰還を目指している。しかし、町が住人に行なった意向調査によると、6割の住民が町には戻らないと回答している。連絡所の開所式で双葉町の伊澤史朗町長は「この避難指示解除が我々の目標ではありません。住民が戻って生活出来るのが我々の目標です」と述べた。