福島第一原発から14キロ地点の浪江町で畜産業を営んできた「希望の牧場」の吉沢正巳さんらが20日、白い斑点が出ている牛を引き連れて、東京・霞ヶ関で抗議行動を行った。白斑症状の原因調査や旧警戒区域内での家畜の殺処分中止などを求め、農林水産大臣宛に要望書を提出。「棄蓄政策は棄民政策へつながる」と抗議の声を上げた。
抗議をした吉沢さんは、国の殺処分命令を拒否し、「希望の牧場」で約330頭の牛を飼い続けている。2012年の夏頃から、牛の体に白い斑点が出るようになり、体全体に広がっているのが10頭、体の一部に白い斑点が出ている牛が約40頭ほどいるという。
今回農林水産大臣へ要望したのは、被ばくによる影響の可能性を排除せずに、白斑症状の原因調査をすることや、旧警戒区域内に生き残った牛の殺処分の中止、餌の支援など3点。
吉沢さんは、この日の午後、農林水産省へ牛1頭を乗せたトラックとともに訪れた。報道陣や支援者らが集まる中、トラックから牛を下ろそうとしたところ、警察官と押し合いになり、一時騒然となった。吉沢さんは、農水省前で、「国がこういう牛を殺処分しろと言ったのは棄畜政策です。棄畜政策はやがて、棄民政策へつながる」と訴えた。
YouTube版「被ばく牛の異変調査を」浪江町の牛飼いが霞ヶ関で抗議
https://www.youtube.com/watch?v=K1L3-Byeazg
関連サイト
希望の牧場
http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/