小泉純一郎元首相は5日、東日本大震災の「トモダチ作戦」に参加し、福島第一原発事故に伴う被ばくによって健康被害を受けたと訴えている元米軍兵らを支援する基金を創設し、寄付を呼びかけた。
小泉氏が「トモダチ作戦被害者支援基金」。今年5月に米サンディエゴを訪問し、がんや白血病にかかるなど様々な疾病で苦しむ元兵士に話を聞き、設立を決めたという。小泉氏は「「将来のある20〜30代の若者が病に苦しむ姿を見てかわいそうでは済ませられないと思った」と述べた。
小泉氏は米国帰国後、外務省北米局に協力を打診したが、政府としては何もできないと断られたという。小泉氏は、「日本の国民の多くが、トモダチ作戦兵士の病気を知らないので、原発賛成反対を乗りこえて何かできれば」と、協力を呼びかけた。国民皆保険制度のない米国では、除隊した元米兵らは多額の医療費を負担しているという。
「トモダチ作戦」は東日本大震災に対して、米軍が展開した災害救助・救援作戦。東北沖で救援活動に従事していた原子力空母ロナルド・レーガンなど米軍艦艇の乗組員ら約300人が、放射能被曝により健康被害を受けているとして、東京電力を相手に米連邦地裁に提訴している。
「トモダチ作戦被害者支援基金」の振込先は城南信用金庫営業部本店、普通口座844688、口座名は「トモダチサクセンヒガイシャシエンキキン」。当面1億円を目標に寄付を募り、集まったお金は米銀行に信託して支援に充てる。問い合わせは=電03(3493)8133=。