新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急リポート第7弾。今回は韓国ソウル在住のフリーコーディネータ上前万由子さんとつなぐ。
2月に南東部の大邱で大規模な集団感染が発生し、中国に次いで感染者数が増えた韓国。しかし、4月下旬には国内感染者が一桁となり、30日はゼロに。死亡者も255人に止まっている。韓国で感染防止のカギとなったのが、徹底的な検査と情報公開と言われている。
中央防疫対策本部のCOVIT19サイト クリックするとページに飛びます
情報公開の柱は、透明かつ迅速な情報共有とされる。各地で把握された感染者のデータを政府や地域のウエブサイトでリアルタイムで公開しているほか、元データを公開し、再三者が活用できるようにしている。
また当局の丁寧な説明も、住民から信頼を集め、感染封じ込めに一役買っているという。新型コロナ対策の最前線に立つ疾病管理本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)中央防疫対策本部長のブリーフィングは、落ち着いた説明と正確な分析が信頼を集め、国内外で注目を集めているという。
「社会的距離の確保」強化期間(
3月21日〜4月19日)
感染リスクの高い施設の休業が要請され、宗教、スポーツ、娯楽を目的とした集まりは禁止。欧米のような強制的なロックダウンではない。
「社会的距離の確保」(4月20日〜5月5日)
カフェや飲食店などリスクの低い職業は再開。
「生活防疫」(5月6日〜2年程度?)
ネットカフェ、カラオケ、スポーツジムなど感染リスクの高い業種も順次再開へ。13日から学校も順次再開。観客なしのスポーツイベントなども可能に。徐々に通常の生活に近づけていく。
韓国では5月6日から「日常防疫」へ
国内の感染者が一桁まで下がっている韓国では、5月5日で外出禁止を柱とした「社会的距離の確保」期間を終え、経済活動とのバランスを取りながら日常生活を送る「日常防疫」に移行する。また5月5日には、韓国のプロ野球Kリーグも開幕。無観客試合ながら、スポーツ試合が始まった。
この「生活防疫」を進めるにあたって、中央防疫対策本部が5月3日に示したのが「生活の正常化に向けたガイドライン」である。約70ページにわたり、職場や移動、カフェやレストラン、結婚式や葬儀、映画館、劇場、ネットカフェなど、日常生活に即した感染予防策が掲載されている。
また海外からの入国者から感染が広がる恐れもあることから、韓国では4月に空港の防疫を強化。発熱や咳のある入国者にPCR検査をするだけでなく、現在は念のため、入国者全てにPCR検査を実施。陰性でも2週間の隔離が求めらる。また自家用車が利用できない入国者に対しては、防疫体制が取られた、一般客とは異なる車両やバス、タクシーが手配されるほか、国内に滞在先がない短期滞在者に対しては、空港に近い臨時施設に入所することになっている。
仁川空港のホームページより
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