五輪中止の世論が高まる中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が15日、来日した。16日は、菅義偉首相や小池百合子都知事と相次いで会談。会場に観客を入れた開催を目指して緊密に連携していくことを確認した。
今回の来日は、東京五輪の進捗状況を確認する調整会議「IOCプロジェクトレビュー」に合わせたもの。東京五輪2020組織委員会の森喜朗会長との共同会見で、バッハ会長は、観客数について「妥当な数の観客が入ることが可能だと考えているが、安全こそが最優先だ」と述べ、会場ごとの観客数の規模は来年の春までに最終決定することを確認した。
また森会長はバッハ会長の来日に合わせて、大会中止が発表されるとの噂が広がっていることに触れ、「バッハ会長の来日でフェイクニュースがずいぶん流れていたが、皆さんも疑念を払拭されたと思う。IOCとしっかり価値観を共有しながら、さらに絆を深めたい」と強調し、大会は中止を求める世論を牽制した。
写真:フォート・キシモト/JOC
バッハ会長はこの日、五輪の発展に貢献した人を称える賞「五輪オーダー」の授賞式にも参加。東京五輪の招致に貢献したとして、安倍晋三前首相に「五輪オーダー」を授与した。
「IOCプロジェクトレビュー」は16日から18日までの3日間開かれ、東京五輪の準備状況を確認する。明日は、中央区晴海の五輪選手村と渋谷区の国立競技場を視察する予定だ。