東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言に対し、日本オリンピック委員会が入居するビルの前で7日、抗議活動があった。
4日の謝罪会見で「邪魔だと言われれば、老害、粗大ごみになったのかもしれないから、そうしたら掃いてもらえればいいんじゃないですか」と述べた森氏。この発言にちなんで、「ホウキデモ」と名付けられた今回の抗議活動には、ツイッターなどの呼びかけに応じた市民十人あまりが参加。手作りのホウキやプラカード掲げ、無言で抗議の意思を表した。
「女性には議論が向かないような、女性そのものを邪魔者扱いしているようなのは違うんじゃないか」。デモへの参加は1年ぶりという40代の女性は、森氏の退任だけでなく「改めて撤回と謝罪をしてもらって、女性が生きやすいように変える取り組みをしたほしい」と訴えた。
初めてデモに参加したという30代の女性が掲げたのは、「黙るもんか」という手作りのプラカードを。「海外の方がDon’t be silent( どうか沈黙しないで)」というメッセージを日本の女性にくれたので、それに応えるメッセージというか、「黙らないよ」いうメッセージを掲げることに決めた」という。普段はSNSだで発信してきたが、「森さんの発言自体にも怒っているが、それを許す風潮、何も変わらないのが嫌」で、「これしかない」と駆けつけた。
昨年からフラワーデモに参加しているという50代の女性は、「(性暴力も森発言も)根元は同じで、女性蔑視にあるのかな」と批判。周囲が同調しているのが最も問題だとした上で、「平和の祭典、SDGsを進めていかなければならない組織なのにおかしい」と組織委員会やJOC(日本オリンピック委員会)のあり方に疑問を投じた。「社会を変えていく小さな一つの点になれれば」「外圧ではなく国内から変えていきたい」と訴えた。