水色=4巡目の学校検査が終了していないいわき市, ピンク=5巡目の学校検査が延期となった19市町村
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福島県は7日、東京電力福島第1原発事故当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査を1学期の間、見合わせると発表した。再開後も、感染症対策の必要性から検査ペースなどを見直す必要があるとして、今後、検討委委員会で方針を決める見通し。
政府の「休校要請」に伴い3月3日から中止となった学校での甲状腺検査。4巡目検査でまだ終了していなかったいわき市の一部の小学校2000人と、4月以降に5巡目の検査が開始される予定だった19市町村の小中高校に通う1万9000人の計2万1000人の検査が9月以降に延期されることとなった。県民健康調査課は「1学期は見合わせ、状況を見ながら9月以降に実施したい」とする。また公共施設等で開催している一般検査は、感染対策を講じながら順次再開したいとしている。
一般会場検診は7月以降のスケジュールが公表されている
甲状腺検査は、のどにある甲状腺に超音波をあて、甲状腺に結節病変があるかを調べる検査。のどに当てるプルーブと呼ばれる機器は検査対象者同士が共有するが、甲状腺の専門家医は「プローブを通じての感染は考えにくい」とする。一方、「三密を避ける」「マスクの着用」「手洗いうがい」といった基本的な感染予防策は必要だという。
感染症対策をしながらの検査となるため、従来のように1日数百人から1000人規模の検査をこなすのは難しい可能性もあり、今後スケジュールの見直しをや5巡目の検査が計画通りに終了しない恐れもある。このため、県では検査のあり方を検討している「県民健康調査課」検討委員会に状況を報告し、今後の対応を決めたいとしている。検討委員会は通常、5月から6月に開催されているが、今後の開催日程や開催方法などについては現在調整中だという。