小学館が発行している「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中のマンガ「美味しんぼ」の
表現をめぐり、閣僚や福島県などが相次いで批判を強めている問題で13日、環境省の石原伸晃大臣は鼻血と被曝の因果関係を否定。医学会の定説であると改めて強調した。
震災がれきの広域処理や除染を担当している環境省。会見で、今週号の「美味しんぼ」が、大阪でのガレキ焼却に伴い、体調を崩した事例があることや除染の限界を伝えていることについて問われると、石原大臣は「個別のマンガのことについての論評は控えたい。」とした上で
「科学的な因果関係について、放射線専門の医療機関に去年の段階で話を聞き、因果関係はないと聞かせて頂いた。医学会の通説といして定着している。なぜこのようなことが起こるのか。大変な遺憾なこと。」と述べた。
「因果関係なし」は福島医大の知見
これに対し、昨日、マンガに登場する元双葉町長の井戸川克隆氏に取材したメディアから、「井戸川元町長は、鼻血をはじめ、身体の不調がでていることは事実。(先週の石原大臣の発言は、)個人の人権の侵害にあたると発言している」と紹介。見解を求めたが、石原大臣は「発言は私の意見ではなく、有識者のご意見だ」「特に福島県立医大の先生方のお話として紹介させていただいた」と牽制した。
さらに、自民党が野党だった2012年に、山谷えり子議員や森雅子議員が国会の予算委員会で、鼻血が出ているという住民の声を聴いているとして、民主党政権(当時)の責任を追及していた件について問われると、「私の認識は変わっていない。今、ご氏名された人がなんと発言したのか知らない」とコメントを避けた。
この後、放射線健康管理担当参事官室の桐生康生参事官が説明に立ち、「鼻血が出るような被曝線量は数百ミリグレイといった高いレベル。」福島ではこうしたレベルには達していないとして、これまでの見解を繰り返した。環境省は、福島第一原発の被曝に伴う健康問題を担当。現在、専門家会議が開催されているが、内部被曝や低線量長期被曝に関する専門家はメンバーに含まれていない。
環境省の見解
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/info_1405-1.html
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