東京電力福島第1原発事故の影響で避難している人たちの帰還後の被曝防護策を議論している検討会の第3回会合が16日、東京都内で開かれた。政府側は個人線量の把握方法など個別の議論を進めようとしたが、検討会のメンバーからは「移住する人、帰還する人両者の生活再建について考えるべき」「現地を見る必要がある」などの異論が相次いだ。
原子力規制委員会は、避難解除に向け、今年12月までに原子力災害対策本部に対して、帰還に向けた線量基準の考え方と防護策に関する見解を示す予定だ。しかし、国の方針が「帰還ありき」だとして、委員からは異論が続出。福島県立医科大の丹羽太貫特任教授は「生活に対する不安が大きい。放射線についてだけ議論しても機能しない」と指摘。また、日本学術会議の春日文子副会長も「帰ってもよいと思っている方々、帰りたくない方々、両方の立場の方にお話をうかがいたい」と実態把握を優先すべきだとの認識を示した。これらの指摘を受け、規制委の森本次長は、検討会後、は難住民のヒアリングや現地調査を検討する考えを示した。
配布資料
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/20131016.html
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