2020年東京五輪・パラリンピックの招致をめぐる汚職疑惑で、フランス当局の捜査対象となっている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が19日、JOCの理事会で退任する意向を表明した。竹田会長は会見で、汚職への関与を否定したが「(詳細は)まだ調査中で答えられない」と述べた。
竹田会長は理事会で「世間をお騒がせしたことを心苦しく思っている。JOCの将来を思うと、次代を担う新しい若いリーダーに託して新しい時代を切り開いてもらうことがふさわしい。定年を迎えるJOCの会長を退任する」と述べて、今年6月の任期で退任することを表明した。
「名誉毀損だ」理事からは擁護の発言相次ぐ
これに対して理事などからは、竹田会長を擁護する発言が相次いだ。黒川光隆監事(日本スポーツ芸術協会理事長)は、今回の一連のメディアの報道に対して、「メディアは会長の実像に触れていない」と批判。70歳で定年になる現在の規定を75歳まで引き上げて、「2020年まで竹田会長でやってもらいたい」と主張した。
また、塚原光男理事(日本体操協会副会長)は、「名誉毀損されたまま終わるのか」と述べて、松丸喜一郎常務理事(日本ライフル射撃協会会長)は、「(今回の疑惑は)JOCごととしてとらえて、潔白を晴らしていく」と訴えた。JOCは6月に評議員会で新理事を選び、新理事による互選で会長を決める予定だ。