子ども被災者支援法
2017/05/09 - 14:33

吉野復興相「子ども・被災者支援法活用する」~今村氏との違い強調

相次ぐ失言で辞任に追い込まれた今村前復興大臣の後任として、先月26日に復興大臣に就任した吉野正芳大臣。8日、就任後初めてとなる復興庁での閣議後会見に臨み、「支援を必要とする人がいる限り、最後の一人まで支援する」と、前任の今村氏との違いを強調した。

吉野大臣は、5月1日と2日の2日間、岩手県と宮城県を訪問し、今村前復興相の発言を謝罪。沿岸部の被災地域などを視察した。吉野大臣は復興の進捗状況に大きな差が出ているとの見方を示した上で、「9割復興している町でも1割が残っている。」「支援を求める人がいる限り、最後の一人まで支援する」とかみ締めた。また、2021年には解散する復興庁の後継組織にも言及。宮城や岩手でも復興の遅れを心配している声があるとして、福島に限定しない後継組織の可能性を示唆した。

子ども被災者支援法を活用する
吉野大臣の「最後の一人まで支援する」との発言について避難者も該当するのかと質されると、吉野大臣は震災時に、被災者を受け入れたある民間施設のエピソードを紹介。避難者が減る中で、残る避難者を退去させようという内部の声を押して、責任者が最後の一人まで追い出すことなく見守ったと延べ「私もそこの責任者がやったのと同じ気持ちで復興に取り組みたい」と語った。

また、長期間にわたって住民を支援する「チェルノブイリ法」のような法律が必要だと思うかとの質問に対し、吉野大臣は、「日本版チェルノブイリ法が、原発事故・子ども被災者支援法だと思っているの。「子ども・被災者支援法」を活用して、支援していく」と述べた。

吉野大臣は自民党の復興特別委員会委員として2012年6月19日、子ども被災者支援法の立法審議の質問に立ち、チェルノブイリ法の理念に則した法律が必要であるとの立場から、被災者の意思で住む場所が選べることや、幅広い地域を支援対象地域とするようことを求めていた。同法と矛盾した政策が続く中、吉野大臣が自身の発言と、現実のギャップを埋めることでるのか。注目される。

2014年6月19日衆議院 東日本大震災復興特別委員会議事録
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/180/0242/18006190242007.pdf

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