今村復興大臣の「自己責任」発言したことをめぐり、福島県川俣町の町議会は7日、今村大臣の辞任を求める抗議声明を採択し、安倍首相と復興相宛てに送付した。「自己責任」発言は「撤回」したものの、抗議の声はやみそうにない。
声明では、今村大臣の発言について、「避難指示区域外から避難している方々の実情を全く知らないが故の発言である」と厳しく批判。国に法的な責任があることを認めた前橋地裁の判断に言及した上で、「三権分立の下では、行政府は、その判断を真摯に受け止める必要がある」にも関わらず、「大臣の発言は、三権分立の理解に欠けている。」と大臣の姿勢を問題視した。
さらに、「裁判でも何でも、やれば良いではないか、やったではないか。」との発言について、「自主避難者が裁判に訴えなければならなかった事情を全く知らないが故の極めて軽率な発言であり、自主避難者を侮辱するものである」と指摘。「怒りを持って厳重に抗議し復興大臣の速やかな辞任を要求する」と結んでいる。
川俣町は、東京電力福島第一原子力発電所から30〜40キロに位置する町で、飯舘村や浪江町に隣接する山木屋地区は強制避難となり、今年3月避難解除したばかり。川俣町議会は繰り返し、国に対して、自主避難者への住宅支援の継続を求めていた。
抗議の声、続々〜復興庁の集計追いつかず
今村大臣の発言をめぐっては、東電や国に対する損害賠償請求裁判を行っている「原子力損害賠償群馬弁護団」が4月5日に抗議声明を発表。次いで6日に、「原発事故被害者団体連絡会」ら4団体が復興庁に抗議の申し入れを行ったほか、「福島原発被害者東京訴訟原告団」「原発事故全国弁護団連絡会」「原発事故被災者支援兵庫弁護団」「東京災害支援ネット」「日本環境会議 福島原発事故賠償問題研究会」など避難当事者や弁護士、専門家グループが抗議声明を発表。さらに8日、「うつくしまNPOネットワーク」など主に福島県内を拠点に活動している市民団体12団体が抗議文を送付するなど、全国で抗議の声が強まっている。
復興庁によると、電話による抗議は7日の金曜日までに約200本にのぼった。しかし、「自己責任」発言を撤回した現在も抗議は止まず、現在、省内で集計が追いついていないという。明日は午前8時半から、衆議院の復興特別委員会が行われ、今村大臣が答弁に立つ予定となっている。