「甲状腺がんと被ばくの関連は認められない」と断定した甲状腺検査評価部会の「部会まとめ」。UNSCEARの甲状腺吸収線量を用いた解析への急な変更や、被曝との因果関係はないと結論づける内容に、一部の委員から修正を求める声があがっていた。このため、星北斗座長一任となったが、春日文子委員がこれに反論。現在の委員が任期満了となる7月末までに、修正案をまとめることになっていた。
しかし、本文の修正は一切なし。検討委員会名で出された「見解」では、「甲状腺がんと被ばくの関連は認められない」とする部会の所見に対して「結論づけるのは早いのではないかとの意見もあったが、多くの委員の賛成のもと、検討委員会としては了承するものである。」と説明。今回の報告書が、71人の甲状腺がんが見つかった「検査 2 回目」に限定したものであると強調したものの、国連科学委員会(UNSCEAR)による市町村別推定甲状腺吸収線量を用いた解析手法は「妥当」だとした。
委員から出た「今後の評価で必要な視点」として「より詳細な甲状腺被ばく線量を用いた検討」「がん登録情報、臨床情報を含めた総合的な分析と評価」「 事故当時の年齢と発見率との関連」「 1 回目と 2 回目を合わせた甲状腺がん症例と被ばく線量との関連についての分析」「 甲状腺がんの発見率が高いことや男女比についての検討」「先行検査時点で利用した 4 地域の比較についての検討」の6つの点があげられた。
甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する部会まとめ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/339633.pdf
甲状腺検査評価部会「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ」について
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/339633.pdf