G20大阪サミットに向けて、政府がまとめた「海洋プラスチックごみ」への対策や戦略について、使い捨てプラスチックの削減対策が不十分であるとして、環境NGOが3日、緊急集会を開いた。
主催したのは、環境NGOなど11団体が昨年結成した「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」。東京農工大学の高田秀重教授は、東京湾のイワシを調査したところ、8割からマイクロプラスチックが見つかったことを報告。また、世界中でプラスチック汚染が広がっていることを指摘した上で、さらに、プラスチックが環境ホルモンなどの有害物質を生物に広げる運び屋になっていると警鐘を鳴らした。
河川などに散乱するペットボトルなどの調査を行う「全国川ごみネットワーク」の伊藤浩子さんは、昨年の調査結果を報告。日本の河川全体の0.1%を調査したことを踏まえて、全国の河川には約4000万本のペットボトルが散乱していると推計。「ごみを拾うだけでは解決しない。プラスチックの大幅削減が必要だ」と訴えた。
WWFジャパンの三沢行弘さんは、政府のアクションプランに対して、「海に出てしまったごみをどうするのかも大切だが、その前にプラスチック使用量を減らしていくことを主要アクションにしなければいけない」と批判。2030年までに国内の容器包装用プラスチック排出量(2017)の75%に相当する量を削減する目標を立てるように訴えた。
同ネットワークは提言書を作成し、同日に環境省へ提出。提言書では、使い捨てプラスチックの生産や消費量を大幅に削減することや、焼却処理の削減、大量生産を行う事業者が責任を負う法整備などを求めている。
関連リンク
減プラスチック社会を実現するNGO ネットワークの「減プラスチック社会提言書」
https://www.wwf.or.jp/activities/statement/3980.html
環境省「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」
https://www.env.go.jp/press/106865.html
環境省「プラスチック資源循環戦略」
https://www.env.go.jp/press/106866.html