オリンピック
2019/06/04 - 07:16

聖火リレーのルート発表~双葉町も検討

2020年東京五輪大会組織委員会は1日、聖火リレーのルート概要を発表した。来年3月26日に福島県からスタートして、121日間かけて47都道府県を巡る。「復興五輪」をアピールするために、東京電力福島第一原発事故の被害を受けて、避難区域が設定された12市町村も、双葉町以外は全て走るのが特徴だ。

「復興五輪」を掲げる東京五輪。原発事故後に作業員の拠点となったJヴィレッジ(楢葉町、広野町)からスタートし、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」や、2016年熊本地震で被害を受けた益城町などもルートに選ばれた。富士山などの世界遺産なども巡り、7月24日の開会式で新国立競技場の聖火台に点火される。

聖火リレーが福島県内を巡るのは3日間。初日は、富岡町や大熊町など浜通りを巡り、相馬野馬追の会場となる南相馬市の雲雀ケ原祭場地へ。2日目は、相馬市から飯舘村、福島市、会津若松市などへ繋ぐ。3日目は、南会津町から郡山市に向かい、開成山公園で記念イベントを開く予定だ。

聖火リレーの福島県の走行ルート 組織委員会資料より

組織委員会によると、今回ルートから外れた双葉町の走行も追加で検討しているという。全町避難となったままの双葉町だが、来年の3月には双葉駅周辺など一部の避難指示解除を目指しており、「環境が整えば実施したい。国と自治体と相談し決定する」という。

大熊町の木幡ますみ町議会議員は、「国道6号線はまだ放射線量が高い。住民がほとんど帰還していない地域もあり、人が走り住民が応援できる環境ではない」と批判。五輪のために、工事現場の人件費や資材が高騰していることを指摘し、「復興に向かう工事は遅れている。何のための五輪なのか。復興の意味を履き違えている」と訴えた。

聖火リレーは、公募や推薦で選ばれた約1万人が全国で走る。1日に80~90人が走り、公式スポンサーのロゴを入の入ったトラックが、大音量で音楽をかけて先導する。車列は数百メートルになる。組織委は、沿道で応援するよう市民に呼びかける。詳細なルートは、今年末頃まで決定する予定だ。

避難指示区域(2019年4月10日時点)福島復興ステーションより

映像撮影:西中誠一郎

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