東京電力柏崎刈羽原発再稼働の前提として、新潟県の米山前知事が公約に掲げていた東京電力福島第一原子力発電所事故に関する検証委員会の「健康と生活への影響に関する検証委員会」の健康分科会」が8日、新潟市内で開かれた。前知事が辞任したため、9ヶ月ぶりの開催となった。
「健康分科会」は、福島原発事故の影響を検討している「生活分科会」や「避難分科会」と並ぶ、分科会の一つで、福島県で実施している「県民健康調査」について検討してきた。しかし、福島県の甲状腺検査をめぐり、専門家の間でも意見が大きく分かれているため、新たなデータが示されるまで、具体的な検討は見合わせとなった。また、文献調査についても、どのような解析を行うかや、扱うテーマをめぐって具体的な内容はまとまらず、次回以降、検討することなった。このため、いつ、どのような方向で報告書をまとめるかについて、見通しは一切示されなかった。
柏崎刈羽原発6・7号機は、原子力規制委員会による適合性審査に合格している。しかし、新潟県の米山前知事は「3つの徹底的な検証がなされない限り再稼働の議論は始められない」としてきた。今年6月に、自民公明が推薦する花角英世新知事に交代したが、花角知事も表向きには原発再稼働に慎重な姿勢を示してきたため、検証委員会を継承。米山前知事は、年4回程度、検証委員会を開催し、3~4年後に結果を取りまとめる方針だったが、花角知事は期限を定めず議論してほしいと指示している。
同検証委員会をめぐっては、県議会から県民の意見を反映すべきとの意見があがっていることから、健康分科会でも同日、県民の意見の受付を開始した。はがき、封書、ファクシミリ、メールで受け付けている。次回は1月に開催の予定。
配布資料
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/631/67/1108siryo_022493,0.pdf
健康分科会の検証に関する意見募集について
http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1356905005786.html
送付先:〒950-8570
新潟市中央区新光町4番地1 新潟県福祉保健部健康対策課
「健康分科会の検証に関する意見受付窓口」宛
FAX:025-285-8757
電子メール:ngt040240@pref.niigata.lg.jp
※件名は「健康分科会の検証に関する意見」
青山英史新潟大学医学部教授(放射線医学)
秋葉澄伯鹿児島大学名誉教授(疫学・公衆衛生学)
木村真三獨協医科大学准教授(放射線衛生学)
鈴木宏新潟青陵大学副学長(疫学・公衆衛生学)【委員長】【分科会座長】
中村 和利新潟大学医学部教授(疫学・予防医学)【分科会副座長】