東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は7日、都内で記者会見を開き、大会関係者の会場入場時に日本電気株式会社(NEC)の顔認証システムを導入すると発表した。五輪で顔認証システムを使用するのは初めてとなる。
発表された顔認証システムの対象となるのは、選手やボランティア、報道関係者など約30万人。システムは、全ての競技会場や、選手村、メディアセンターの入り口などに設置される。本人確認の時間を短縮することや、なりすまし入場を防止することなどが目的だ。
システムの仕組みは、名前や顔写真などを登録したIDカードを事前に作成し配布。関係者が会場入り口の読み取り機にIDカードをかざすと、読み取り機のカメラが顔を読み取り、本人かどうかを2重で認証する。顔の確認は、目視よりも2.5倍早く処理できるという。
組織委員会の岩下剛 警備局長は、顔認証システムの導入理由について、東京五輪の会場が分散していることや、暑さ対策でセキュリティに負担がかかっていると説明した。30万人という膨大な個人情報のデータを扱うことについては、「個人情報保護法の観点から対応していきたい」と述べた。NECの菅沼正明 執行役員は、「生体認証や解析などの最先端テクノロジーを活用し、さりげなく見守りたい」と話した。