東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は2日、トライアスロンコースを発表した。海と大型商業ビルの間を駆け抜ける都会的なコースだが、水質問題を懸念する声も上がっている。
発表されたのは、五輪の男女個人と男女混合リレーの2コースと、パラリンピックの男女個人1コース。男女個人は、お台場海浜公園の浮桟橋を飛び込みでスタートし、1.5キロ泳いだ後、バイクに乗り換えて台場駅周辺の5キロコースを8周し、最後のランは、お台場海浜公園周辺の2.5キロを4周する。
レインボーブリッジや観覧車を背景に、大型商業ビル群を駆け抜けるコースに、組織委員会の中村英正スポーツ局長は「最も都会的なコース」であるとアピールした。
ただお台場海浜公園は永らく水質が悪く、遊泳が禁止されてきた場所だ。昨年の都の調査では、国際競技団体が定める基準値の21倍の糞便性大腸菌が検出され、IOC国際五輪委員会の関係者からも懸念の声が上がっていた。
五輪のトライアスロン競技に4大会連続で出場した田山寛豪さんは、「選手に最高の舞台が用意された」と期待を込める一方、お台場での競技が継続的に行えるよう注文。都と組織委員会は、7月24日から9月6日にかけて、海中に特殊なシートを設置して大腸菌の流入を防ぐ実証実験を行っており、秋に結果を公表する予定だ。
関連資料
「お台場海浜公園における水質・水温調査結果」(2017年10月、東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/10/06/09.html