休眠預金の指定活用団体に選ばれた日本民間公益活動連携機構のサイト
10年以上、銀行口座に預けられたままになっている個人の貯金を、子どもや若者、社会的弱者の支援を行っている民間団体に配分する「休眠預金法」。政府は11日、この「休眠預金」を分配するルールなどを決める「指定活用団体」に、経団連が母体の「一般財団法人日本民間公益活動連携機構」を選んだ。「指定活用団体」に応募した4団体のうち、経団連が主体で安定性が高いと評価された。
毎年700億円にものぼる「休眠預金」を民間団体に配分する「休眠預金法」が施行されたのは昨年1月1日。その配分方針を決定する「指定活用団体」については、昨年10月に公募が開始され、「指定活用団体」選定を専門とする有識者8人を交えて、書類審査と面接を経て、非公開で選定を進めてきた。
「指定活用団体」に応募していたのは、経団連を母体にした同機構のほか、日本財団職員などが立ち上げた「一般社団法人社会変革推進機構」、NPO法人フローレンスの代表理事駒崎弘樹氏をはじめソーシャルベンチャーが結集した「一般財団法人みらい財団」、大阪の非営利セクターが設立した「一般財団法人民都大阪休眠預金等活用団体」の計4団体。審査委員の総合評価が一番高かったのは「みらい財団」だったが、業務の実施体制や中立性などの面で、同機構が選ばれた。
決め手となった点について、内閣府の嶋田裕光審議官は「経済界、労働界、行政、ソーシャルセクターの枠を超えてオープンな受け皿となる。最も中立的で徹底した公益性が敷かれている運営体制を評価した」と説明した。一方で、審議委員の意見の中には、「経済界主導に偏りがある」との懸念や、「社会の実態に対する深い認識が感じられない」という厳しい指摘もあった。
プレゼン資料 委員から示された意見 事務局による申請書類の審査結果
「懸念事項等の考え方」 議事録
一般財団法人日本民間公益活動連携機構
http://www.janpia.jp/
プレゼン資料 委員から示された意見 事務局による申請書類の審査結果(PDF形式:324KB)
「懸念事項等の考え方」 議事録
一般財団法人みらい財団
http://kyumin.jp/aboutus/
プレゼン資料 委員から示された意見 事務局による申請書類の審査結果
「懸念事項等の考え方」 議事録
一般財団法人
民都大阪休眠預金等活用団体
プレゼン資料 委員から示された意見 事務局による申請書類の審査結果 「懸念事項等の考え方」 議事録
「休眠預金」は、10年以上、銀行口座に預けられたままになっている個人の貯金だ。これらのお金を今年秋には、子どもや社会的弱者の支援を行う民間活動に配分する。しかし、年間700億円もの大きな金額になることや、助成の条件として、「社会的インパクト評価」や「成果の可視化」などが挙げられているため、批判もあがっている。
全国のNPO支援組織10団体と個人らで作る「現場視点で休眠預金を考える会」の実吉威さんは、「10年20年かけて、地域に根ざして活動してきた団体に届くのか課題だ。現場の実情の把握や、対話が大事になるのではないか」との見方を示した。
指定活用団体の指定について(内閣府ホームページ)
https://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/katsuyou/katsuyou_index.html