東京の下町・葛飾区で24日、市民グループが甲状腺検査を実施した。主催したのは「甲状腺検診かつしか」。原発事故当時18才以下だった子どもたちを対象に検査を呼びかけ、41人が受診した。都内在住の市民を対象にした民間による甲状腺検査の実施は江戸川区に次いで2ヶ所目となる。
検査が行われたのは、葛飾区青砥駅のそばにある「かつしかシンフォニーヒルズ」の会議室。検査に先立ち、ボランティアで検査に参加している東葛病院の土谷良樹医師が、放射能汚染や甲状腺検査について説明。その後、ボランティアの検査技師と土谷医師が二人一組となり、超音波検査に当たった。
長い準備期間を重ね、甲状腺検査を実現に導いたのは「甲状腺検診かつしか」代表の吉村未来さん。子どもに関わる仕事していることもあり、原発事故以降、子どもたちの将来のために何ができるか考え続けてきたという。「例えば、松戸市などでは市議さんがいて、除染をしたり、計測したりして活動している。千葉県や茨城県では甲状腺検査も盛ん。神奈川県でも検査をしているのに、東京では動きがない」と強調。千葉県松戸市や埼玉県三郷市など、汚染状況調査地域と同じような汚染があるにも関わらず、都内では除染や甲状腺検査の必要性があまり認識されていないとして、「今後、他の地域に負けないように取り組みたい」と力を込めた。