福島第一原発事故
2018/08/28 - 13:07

「放射線のホント」間違った記載ない~復興大臣

復興庁の吉野正芳大臣は28日、閣議後の記者会見で、復興庁の作成した「放射線のホント」に「誤りが指摘されている」との質問に、「間違った情報は記載していない」ときっぱり否定した。「放射線のホント」をめぐっては、市民団体が誤りを指摘し、厚生労働省が誤りを認めていた。

「放射線のホント」は、昨年12月に政府が策定した「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」の一環として、今年3月、復興庁が作成した冊子だ。放射線に関する正しい知識の普及が目的だが、市民グループが今月9日、食品と飲料水の記述に誤解を招く記載があると指摘。記述の修正を求めていた。

記者会見で吉野大臣は、今月20日から21日にかけて佐賀県で開催された全国高校PTA連合会大会に出席し、参加者全員に同冊子を配布。福島県への修学旅行を呼びかけたという。「放射線のホント」について修正が必要ではないかとの記者の質問に対し、「間違った情報は記載していない」と回答。大臣の責任でそう言っているのかとの追及に、「復興庁の責任で言っている」と明言した。

原発事故後の放射性セシウムの食品基準値については、復興庁の「放射線のホント」では、「日本は世界で最も厳しいレベル」と記載。市民グループは、飲料水の米国の基準は、1キロあたり4・2ベクレル、EUでは8.7ベクレルで、日本の10ベクレルより低いとして訂正を求めている。厚生労働省は9日の政府交渉で、国によって、食品の摂取量や放射性物質を含む食品の割合の仮定値などが異なるため、厚生労働省では単純な国際比較をすべきではないとしていた。

「放射線のキホン」
http://www.fukko-pr.reconstruction.go.jp/2017/senryaku/pdf/0313houshasen_no_honto.pdf

記述を見直しへ~復興庁「放射線のホント」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2293

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