東京電力福島第1原発事故で放射線被ばくの被害を受けたとして福島県内の1324人が11日、東電の勝俣恒久会長ら計33人について、業務上過失致死傷と公害犯罪処罰法の容疑で福島地検に告訴・告発状を提出した。
告訴・告発状によると、東電や国は想定を超える津波が襲う可能性が指摘されていたにもかかわらず、予防措置を怠り今回の原発事故を発生させた責任があると指摘。原子力安全委員会や原子力安全・保安院、原子力委員会も対策を指示しなかったとしている。
33人には勝俣会長や清水正孝前社長ら東電幹部のほか、原子力安全委員会の班目春樹委員長、保安院の寺坂信昭前院長、山下俊一福島医大副学長ら県放射線健康リスク管理アドバイザーの3人が含まれている。
福島原発告訴団の団長、武藤類子さんは、今回の告訴の意味について「責任を問うことは、これからの社会をつくる若い世代に対して責任を果たすこと」であると説明。「様々な事故で分断されたつながりを取り戻すきっけになればと話した。
弁護団の保田行雄弁護士は、福島地検の対応について「感触は非常に良いものがあると思う」と評価。「住民たちがふるさとを奪われ、家族が散り散りバラバラなっている原因はなにか。それは健康被害です。被ばくの問題が、毎日、怯えながら暮らさなければならなくなっているのが、今回の事故の最大の問題、罪深さがある。これを正面から問うもの」とした。また、河合弘之弁護士も、「検察はこの告訴を握りつぶすことはできない。」「日本で一番、大事な問題が原発の問題だ。私たちは今、日本で一番大切な問題に取り組んでいるという誇りと自信をもってこの運動を広げていってもらいたい」と告訴団に向けて呼びかけた。
福島原発告訴団は、2次の告訴も予定しており、次回は、福島県民以外も参加できる見込み。締め切りは9月頃。
福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
告訴声明
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