東京電力福島第1原発事故の賠償をめぐり、福島県と接する宮城県丸森町筆甫地区の住民694人が、福島県並みの賠償金への増額を求めて、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に申し立てをしていた問題で、原発ADRは福島県と「同水準の賠償を東電が支払う」とする和解案を示した。
筆甫地区は福島第1原発から北西に50キロの距離で、原子力損害賠償審査会の指針で、「自主的避難等対象区域」に指定されている福島県相馬市や伊達市に隣接している。15日に示された和解案は、原発との位置関係や放射線量、自主避難した人の割合など4項目が「自主的避難等対象区域」と同じ状況にあるとして、東電に対し、同区域と同様の賠償を支払うよう和解案を示した。
賠償額は18歳以下の子どもと妊婦は1人当たり52万円(避難した場合72万円)、その他の住民は12万円。住民が求めていた福島並みの賠償が全面的に認めた。
筆甫地区振興連絡協議会事務局長の吉澤武志さんは「福島との格差を感じてきたので、この和解案は第一歩。東電には早急な支払いを求めるとともに、国に対しては、除染や健康調査など、福島県と同様の支援策を求めていきたい」と話した。
「福島との格差なぜ?」〜放射能に苦悩する県境の町
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