(国連TVより 14日の審査の様子)
国連人権理事会は14日、スイス・ジュネーブで日本の人権状況を審査する作業部会(普遍的・定期的レビュー=URP)を開催した。日本における人権状況を懸念して、同部会で質問した国は105カ国にのぼり、男女の賃金格差解消や死刑制度廃止、ヘイトスピーチ問題など様々な懸念が表明された。また複数の国が特定秘密保護法などで日本の報道が萎縮していると指摘した。
さらに34番目に質問に立った米国はメディアの独立性を懸念。放送局の規制する法的枠組み(the legal framework governing the broadcast media)、とくに放送法第4条の見直しや撤廃をすることにより、放送局の独立性を強化するよう求めたほか、放送メディアを管理する独立した行政機関を設置するよう勧告した。また46番目に発言したオーストリアも、放送局を規制している現在の法的枠組み(the current legal framework governing broadcast media)の見直すことを含め、メディアの独立性を確保するとともに、政府による不当な介入を招く法的根拠を取り除く必要があると勧告した。
福島第一原発の人権問題も
また福島第一原子力発電所事故に関連しては、ポルトガル、オーストリア、ドイツ、メキシコの4カ国が、福島第一原子力発電所に伴う住民の健康への取り組みについて勧告。ドイツは帰還政策にあたっては、年間1ミリシーベルト基準を採用するよう求めた。
各国の人権状況を審査する作業部会(普遍的・定期的レビュー=URP)は2008年にスタートした制度で、国連に加盟するすべての国を対象におよそ4年半に1度行われる。日本の審査は2008年、2012年に続き、今回が3回目。14日の各国の意見や日本の反論を踏まえて、16日に勧告が出される。
外務省ホームページ「UPR(普遍的・定期的レビュー)の概要」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html
国連人権理事会(Universal Periodic Review)
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/UPR/Pages/UPRMain.aspx