渋谷・宮下公園の再開発に反対する市民らが13日、再開発の事業主体となっている三井不動産に対して、野宿労働者の排除や、公園の商業化に抗議する申し入れ行ったが、三井不動産は申し入れ書の受け取りを拒否した。
今回、申し入れを行ったのは、宮下公園の再開発問題に取り組んでいる「宮下公園ねる会議」。今年3月に予告なく公園を封鎖したことの説明や、解体工事の中止などを訴える申し入れ書をこれまで2回郵送していたが、封を切らずに返送してきたため、今回は直接申し入れに訪れた。
関係者約20人が敷地内に入り、担当者への面会を希望したところ、警備員が取り次ぎを拒否した。メンバーらは「宮下公園をとりもどそう」と書かれたバナーを路上で広げ、「野宿者排除をやめろ」「オリンピックで公園つぶすな」と抗議の声を上げた。
解体工事中の宮下公園(2017年11月13日撮影)
宮下公園をめぐっては、渋谷区が耐震工事を名目とした、大規模な再整備事業を計画。三井不動産の計画により、公園の場所に、3階建ての商業施設と、17階建てのホテルが建設される予定。公園スペースは、商業施設の屋上に整備される。
公園部分がショッピングモールの屋上につくられることについて、メンバーの中島和之さんは「おまけ程度の公園」と指摘。
また、五輪などを名目に再開発が行われ、貧しい人たちが排除されていくことを海外ではジェントリフィケーションといわれているが、東京各地で再開発が起きていることについて、中島さんは「一休みできる場所。夜寝る場所。野宿者の居場所がどんどんなくされてゆく。」と肩を落とした。「宮下公園ねる会議」は今後も申し入れ活動などを続ける予定だ。
街の再開発が進む渋谷(2017年11月13日撮影)
関連サイト
みんなの宮下公園を守るブログ
http://minnanokouenn.blogspot.jp/