2017/11/09 - 07:00

横浜「ホタルの生息地」再開発めぐり~住民投票めざし署名運動

 
初夏になると蛍が飛び交い、市民に親しまれてきた横浜市栄区の「瀬上沢」。この自然が開発の危機にある。東急建設と横浜市が、森を切り倒し、宅地や商業施設にしようというのだ。反対する住民らは、計画の是非を問う住民投票の実現を求めて、署名を集めている。現地を取材した。
 
「瀬上沢」は、横浜の南部の栄区上郷町にある横浜最大の緑地で、蛍の生息地であるだけでなく、オオタカや、コサギ、カワセミなどの野鳥や、蝶、トンボなどが暮らす生き物の宝庫だ。縄文遺跡や、古代の横穴墓群も残っており、歴史のある里山とされている。
 
ところが2007年、民間企業が大規模な再開発計画を発表。横浜市が一旦拒否したものの、3年前に再び都市計画案が浮上。32ヘクタールの緑地のうち、3分の1にあたる約10ヘクタール(東京ドーム約2つ分)の森林を埋め立て、住宅地や商業施設、医療施設の建設を計画している。
 
【360°写真】瀬上沢の開発計画現場

 
現場を案内してくれたのは、この問題に取り組むNPO法人「ホタルのふるさと瀬上沢基金」の角田東一さん。角田さんは近隣住民であり、開発反対の立場から保全活動を続けている。開発予定地を歩くと、160万年前の貝化石の遺跡や1年中湧き水が出る泉、ホタルの生息地など、街中では感じることが出来ない豊かな自然が次々と目に飛び込んできた。角田さんは「人口が減って宅地は余っているが、緑地はない。やってはいけない開発で、緑地は残すべきだ」と訴えた。
 
開発計画に対して「横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会」「ホタルのふるさと瀬上沢基金」などの市民団体は、計画の是非を問う住民投票を実現しようと10月から署名を集めている。住民投票を実現するには、12月10日までに、横浜市の有権者の50分の1にあたる6万筆以上の署名が必要だ。
 
署名活動に取り組む「横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会」の栗田沙耶さんは、地元出身で、瀬上沢の豊かな自然に思い出が深い。「小学校の時に毎年遠足で来ていた。今の小中学生や、もし自分が子どもをもつ時には、こういう遊び場があるのか。残していきたい」と力をこめた。
 
集まった署名は、11月2日の時点で約3800筆。まだ5万筆以上の署名が必要だ。
 
瀬上沢のホタル(2017年6月撮影)

 
署名スポット一覧(横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会)
※オンライン署名は出来ません。
http://livegreenyokohama.com/spot/
 
関連サイト
NPO法人ホタルのふるさと瀬上沢基金
http://www.segamikikin.org/
横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会
http://livegreenyokohama.com/
SAVE!SEGAMI
http://savesegami.com/
 


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