福島第一原発事故
2017/09/15 - 12:48

楢葉の小中学校で初の原発避難訓練

東京電力福島第二原子力発電所から4キロに位置する楢葉町の小中学校3校が14日、原発事故を想定した合同の避難訓練を行った。3校が今年4月に楢葉町に戻ってきた3校にとって、初の取り組みとなる。

原子力災害を想定した初の防災訓練を実施したのは、楢葉町立楢葉中学校、楢葉北小学校、楢葉南小学校の3校。今年4月に、いわき市内の仮設校舎から楢葉中学校の本校舎に戻り、同じ校舎で学んでいる。

この日は、午後1時すぎに地震が発生。その2時間後に原発事故による避難指示が出たとの想定で、原発から5キロ圏外にある「南小学校学び館」にバスで移動する訓練が行われた。避難の連絡が入ると、子どもたちは長袖長ズボンを着用し、マスクをかけ、荷物すべてを持って、バスへと移動した。

子どもたちもほとんどが、7年前の原発事故で長期避難を経験している。私語や混乱はまったくなく、避難を開始してから、3校の全児童・生徒が避難先に到着するまでわずか20分。子どもたちの表情は真剣そのものだった。

今回の訓練を企画提案した楢葉中学校の校長・荒木幸子先生は、「子どもたちは小さかったとはいえ、7年前の恐怖心は頭のどこかにあると思う。思いもかけずに逃げてそのまま帰れなかったという思いがどこかにあると思うので、訓練をすること自体、躊躇した。子どもも教師も、他の訓練とは違う思いがある。」「これからは全てのことを想定して防災教育をしないといけないと思っているので、今日の訓練はやる価値があったと思う」と噛み締めた。

楢葉町では、原発から5キロ圏外に避難した後、さらに避難が必要な場合は、会津美里町に避難することとなっている。ヨウ素剤の配付は、学校ではなく、町が直接、保護者に手渡すことになっているため、この日の訓練では行われなかった。学校では年に一度程度、同様の訓練を実施したいという。

YouTube版
https://www.youtube.com/watch?v=zx8m-H8hm0o


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