東京オリンピック・パラリンピック担当の鈴木俊一大臣が12日、新国立競技場の建設現場を視察し、約半年ぶりに工事現場がメディアに公開された。JSC(日本スポーツ振興センター)の担当者によると、工事全体の1割が工事を終えたという。
昨年12月に1年2ヶ月遅れで着工した新国立競技場。前回、工事現場が報道陣に公開された今年3月は、まだ、土を掘りかえすなどの地盤改良工事などが行われていたが、半年後となる今回は、1階スタンド席の骨組の建設が始まっていた。大型クレーン24台が稼動し、作業員約1000人が工事にあたっているという。
現場を視察した鈴木大臣は「工事は予定通り進んでいて安心した。」と述べた上で、「世界のアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作らなければならない」と抱負を述べた。
前回、メディアが工事現場を取材した3月は、地盤改良工事を担当していた建設会社の新入社員が過労自殺していた時期と重なる。記者から労務問題について問われると、大臣は「今年の春に痛ましい事件があった。お悔やみ申し上げる。」「大成建設も下請けも労働環境が守られていくことが大切だ。」として、労務管理の徹底を強調した。
新国立競技場は、約2年後の2019年11月末に完成する予定となっている。
【360°写真】新国立競技場建設現場