日本スポーツ振興センター(JSC)は13日、新国立競技場の工事現場を報道陣に対して1ヶ月ぶりに公開した。工事は順調に進んでいるとして、模型の観客席も披露。一方で今年3月に新人の作業員が過労自殺したことについて言及し、労務管理に力を入れていることを強調した。
今回の公開は、毎月開かれている定例ブリーフィングの一環として行われた。報道陣を工事現場の一角に建設された実物大の観客席や庇(ひさし)に案内し、工事が順調に進んでいることをアピールした。観客席は、グレーやベージュ、緑などの迷彩色で空席が目立ちにくくなっている。
一方で工事現場で働いていた作業員の自殺が労災認定を受けたことや、東京労働局の調査で、工事に関わる81社に法令違反があった問題について、JSCの望月禎理事は「発注者として重く受け止めている。2度と起こしていけない」と強調した。
新国立競技場の工事は、当初の1年2ヶ月遅れて着工したものの、2019年11月末に完成する予定となっている。