五輪に向け、自然公園の木1万7000本を伐採し、スポーツ公園に変える中野区の公園再開発計画。工事着工予定日の9日、近隣住民らが木の伐採を阻止しようとゲート前に集結して抗議活動を展開。この日は木の伐採は行われなかった。
抗議行動を呼びかけたのは、市民団体の「緑とひろばの平和の森公園を守る会」。この日は早朝7時から近隣住民が集り、工事車両の出入りするゲート前を封鎖する形で横断幕を広げ、「緑と広場を守ろう!」「木を切らないで!」と抗議の声をあげた。公園を利用していた子育て中の女性は、「公園は子育ての貴重な場所。公園は区長ではなく、区民のものです。」と計画を撤回するよう求めた。
この日、抗議活動は11時すぎまで行われたが、その間、工事車両の出入はなく、樹木の伐採も実施されなかった。ただ中野区の担当者は、OurPlanetTVの取材に対して、「工事は妨害されたが、準備工事は予定通りに行った。今後も予定通りすすめていく」として、引き続き工事を進めていく考えを示した。
同公園は区内最大の森林公園として親しまれてきたが、中野区が2年前、五輪に向けてスポーツ公園への改修を公表。300メートルトラックや大型体育館、バーベキューサイトなどを建設する計画だ。これに対し、市民団体の「緑とひろばの平和の森公園を守る会」は去年12月、住民監査請求を申し立てており、同会メンバー岩村信弘さんは、「住民監査請求の結果が出るまでは工事を止めるべきだ」と苦言を呈す。同団体は、今後も樹木の伐採を止める抗議行動を続け、住民監査請求が棄却された場合は住民訴訟を行う方針だ。
工事エリアには重機が運び込まれていた(1月9日撮影)
関連リンク
中野-緑とひろばの平和の森公園を守る会
http://peace-woods-park.society.ne.jp/
中野区・平和の森公園再整備基本設計
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/504000/d023319.html