蛍の生息地として知られる横浜市栄区の「瀬上沢」の開発をめぐって、計画に反対する市民団体は19日、住民投票の実現を求めた署名が約3万6000筆に達したと公表した。住民投票の必要数には届かなかったが、緑を守ろうという関心は高まっているとして、市民団体は横浜市に代替案などを掲示し交渉を求めていく方針だ。
この署名活動は、「横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会」が横浜市栄区の上郷地区の32ヘクタールの緑地のうち、3分の1にあたる約10ヘクタール(東京ドーム約2つ分)の森林を埋め立て、住宅地や商業施設、医療施設の建設する計画の是非を問おうと行ったもの。住民投票の実現には、横浜市の有権者の50分の1にあたる6万筆以上の署名が必要だったが、署名は10月から2ヶ月間で3万5978人筆と必要数に達しなかった。
同団体は計画の全容を把握するために横浜市に情報公開を行うほか、代替案として、市が緑の保全を目的に徴収している「横浜みどり税」を活用し、市に開発予定地を買い取ってもらうように交渉を行う予定だ。
メンバーの角田東一さんは、横浜市の緑でおおわれた面積の占める割合が1975年に約50%だったものの、2014年には28%まで減少していると指摘。「このままでは減り続ける。横浜市以外の人の声も広く集め、横浜市と対話していきたい」と活動を継続していく考えを示した。
瀬上沢の開発計画現場
「瀬上沢」の開発をめぐっては、2007年に民間企業が大規模な再開発計画を発表。横浜市が一旦拒否したものの、3年前に再び都市計画案が浮上した。横浜市は、来年1月15日に都市計画審議会を開き、都市計画案を審議する。この結果を受けて、市長が今年度中に方針を決定する方針だ。
関連リンク
横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会
http://livegreenyokohama.com/
NPO法人ホタルのふるさと瀬上沢基金
http://www.segamikikin.org/
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