生活保護費の見直しをめぐり、厚生労働省の専門家部会は14日、生活保護を受給している世帯のうち、都市部に子どもが2人いる世帯や65歳の単身世帯などの生活費が、一般の低所得世帯を上回ったとする報告書をまとめた。厚労省は報告書を受けて、今月中に生活保費用の金額を引き下げる方針だ。これに対し、支援団体のメンバーらが、厚生労働省前で抗議の声を上げた。
抗議を呼びかけたのは、生活保護の引き下げは不当だとして、2013年以降、当事者を原告とした裁判を全国29都道府県でおこしている「いのちのとりで裁判全国アクション」のメンバーら。原告となっている30代の女性も駆けつけ、「生活保護費が引き下げられればずっと家に引きこもり、買出しと病院に行くだけの生活になってしまうかもしれません」と涙を浮かべた。
日本では、生活保護を利用できる生活水準でありながら、利用していない人が8割にのぼるとされ、国際的にも突出している。「いのちのとりで裁判全国アクション」の事務局の田川英信さんは、「厚労省は、当事者の生活実態をきちんと調べないまま、生活保護費を切り下げようとしている」と指摘。保護基準を下げるのではなく、むしろ低所得者の生活を支えることが重要だと訴えた。
関連サイト
いのちのとりで裁判全国アクション
http://inochinotoride.org/