国際環境NGO FoEジャパンと福島老朽原発を考える会は5日、都内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の影響で、福島市渡利地区の土壌を調査した結果、最大で1キログラムあたり30万ベクレルを超える高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。
今回調査が行われたのは、小倉寺稲荷山や渡利小学校通学路にある雨水枡など6カ所。8月下旬に、原子力災害現地対策本部および福島県による詳細調査が実施されたものの、一部の地域にすぎなかったため、神戸大学大学院の山内知也教授に依頼して独自に調査をした。
その結果、通学路脇の雨水枡周辺など5カ所で、チェルノブイリの特別規制ゾーンに相当する
濃度の土壌汚染をしていることが明らかになった。また、小倉寺では、6月の調査結果よりも放射能濃度が大きく上がっていた。
渡利地区は、非常に高い空間線量を計測されているが、政府が避難を支援する「特定避難勧奨地点」に指定されていない。FoEジャパンの満田夏花さんは「一帯を特定避難勧奨の地区として指定するべきだ」と指摘している。
この結果を受け、福島では、渡利地区の住民有志が、福島市および原子力災害現地対策本部に要望書を提出。避難勧奨地域の指定にあたっては、子どもや妊婦の基準を低く設定することや、世帯単位ではなく、地域単位にすることを求めた。渡利地区の避難勧奨地域指定に関する住民説明会は10月8日(土)に予定されている。
福島市渡利地区における土壌中の放射能調査(概要)
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/111005_dojou_gaiyou.pdf
放射能汚染レベル調査結果報告書~渡利における土壌汚染レベル
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/111005_houkokusyo.pdf
渡利の子どもたちを放射能から守るために渡利周辺の特定避難勧奨指定及び賠償に関する要望書
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-6036.html