東京電力は6日、去年3月の福島第1原発事故発生直後の社内テレビ会議の映像を報道機関などに公開した。しかし、公開されたのは事故直後の2〜3日約150時間にすぎず、そのうち、福島第二原子力発電所で録画された100時間分には音声が入っていない。また、公開にあたって東電は、録画・録音の禁止を求めているため、報道側からは強い反発が出ている。
今回、東京電力が公開したのは、去年3月12日午後11時頃から15日午前0時頃までの東京・本店の映像約50時間と3月11日午後6時30分頃から14日午後12時頃までの福島第二原子力発電所の映像約100時間の計150時間。福島第二原発の映像は音声がない。
公開に先立ち、東電は午後1時半から説明会を開催。報道機関に対し、録画・録音の禁止を求めたほか、他者が記録したものを報道することや、東電の事故調査報告書で個人名が記載されている役員ら以外の職員の実名報道の禁止を求めた。また、従わない場合は視聴室からの退出や、今後の記者会見への参加を認めないなどの条件をつけている。
こうした公開の条件に関しては、これまで繰り返し報道陣から異論が出ているが、東京電力は「プライバシーの観点」から、このような公開条件をつけたとの一点張り。記者会見に同席した弁護士は、ビデオ会議の映像は、事前に公開する条件で記録されたものではないとの理由で、東京電力の対応を容認した。映像は、報道機関に限って、約1ヶ月間、東電本店で公開される。
上記に掲載している映像は、報道機関に提供されたすべて。
(1)1号機爆発 12日午後3時36分(2分5秒) 音声なし
(2)1号機海水注入 12日午後7時23分(3分10秒)音声なし
(3)3号機爆発 14日午前11時1分(4分41秒) 音声あり
(4)2号機SR弁による減圧操作 14日午後4時12分(12分分2秒) 音声なり
(5)退避関連<小森常務>14日午後7時28分(2分3秒) 音声あり
(6)退避関連<高橋フェロー> 14日午後7時54分(35秒)音声あり
(7)退避関連<清水社長/高橋フェロー>14日午後8時15分頃(4分37秒)音声あり
(8)菅総理訪問 15日午前5時36分(37分5秒) 音声なし
(9)2号機、4号機爆発 午前6時14分(22分5秒) 音声なし
東電配布資料
東電「TV会議録画映像」の録画内容
http://www.ourplanet-tv.org/files/120806-01.pdf
東電「TV会議録画映像」報道関係者への提供映像内容
http://www.ourplanet-tv.org/files/120806-02.pdf