福島県内の保護者がつくる「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」は5月31日、
福島県に対して、被ばく低減策と知事の任命した放射線健康リスクアドバイザー山下俊一氏らの交代を求める交渉を行った。
今回、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークが求めていたのは、福島県が主導して、被ばく低減策を行うことなど5項目。現在、福島県内では、避難地域に含まれていない福島市・伊達市・二本松市・郡山市などの地域で、チェルノブイリ原発事故の強制避難地域より、高い放射線量を測定している。このため、必要ならば、授業停止や学童疎開・避難を行うよう求めたほか、自主的に避難している市民に対する経済支援を要請した。
これに対して、県は「(国が)1ミリシーベルト以下を目指す決めたことを受け、モニタリングを行った結果、様々な低減策を実施する」とし、県独自の低減策をする計画はないことを明らかにした。これに対し、市民からは「4月から、モニタリングを続けているが、一体、いつ低減策を実施するのか」といった厳しい言葉が飛んだ。
また、知事が任命した現在の放射線健康リスク管理アドバイザーを即刻交代させて欲しいとの要望に対しても、交代する予定はないと回答。「100ミリシーベルト以下は安全である」と話していることを知っているか」との問いに対して県は、「我々も直接聞いている。特に問題を感じない」と回答。会場は一時騒然となった。
「100ミリシーベルト以下は安全である」との発言に関しては、5月2日に参議院議員会館で開催された「20ミリ基準撤回」を求める政府交渉の中で、原子力安全委員会の担当者が「原子力安全委員の委員、誰ひとちとして20ミリを許容していない」と話しているが、県の担当者はその事実を知らないと回答した。
(撮影/編集:湯本雅典)
子どもたちを放射能から守る 福島ネットワーク
http://kofdomofukushima.at.webry.info/
福島県のホームページ(福島県放射線健康リスクアドバイザーによる講演会)