五輪開催に反対する市民グループのメンバーらが22日、五輪開催費用費用が大幅に膨らんでいることなどについて、小池都知事に対する公開質問書を提出した。
質問書を提出したのは、東京五輪を返上しようと活動を続ける「『2020オリンピック災害』おことわり連絡会」のメンバーら10人。同日、都外の仮設施設や開催費用についても、東京都が負担する可能性を示したことを批判。新国立競技場周辺の野宿者や都営住宅の住人の立ち退きを強制している問題や神宮外苑地区の再開発計画などについて説明するように求める質問書を、都のオリンピック・パラリンピック準備局の担当者に手渡した。
仮設施設整備費をめぐっては、大会組織委員会と国、都、開催自治体のいずれが負担するかが決まっていない。しかし、22日に開会した都議会定例会の施政方針演説で、小池都知事は「(都外の)仮設の整備については、都も負担することを排除せず検討する」と述べ、都内と都外にまたがる仮設整備費の負担を受け入れる考えを表明した。大会組織委員会が試算によると、都外の仮設施設整備費は6道県の計11施設で約437億円。運営経費もあわせると約1600億円にのぼるとされる。
「『2020オリンピック災害』おことわり連絡会」の宮崎俊郎さんは、「どのようにお金が使われようとしているのか詳細が決まるまで市民に示されない」と批判。また渋谷区在住の渥美昌純さんは、「五輪を招致した猪瀬都知事は、お金がかからないと進めておきながら、どんどん増えるというのは詐欺のようなものでないか。」と憤った。
公開質問書は、仮設施設の整備費問題や外苑開発問題など4項目13問。日本体育協会とJOC(日本オリンピック委員会)が都立明治公園の跡地に新たなビルを建設する計画が進んでいるが、東京都が該当する土地を貸与するのか売却するかさえ決まっていない。これら不透明な取引に関する質問のほか、五輪に伴う都の対テロ対策予算や五輪施設建設で立ち退きを求められる住民への予算措置などについて、3月10までに回答するよう求めている。
関連リンク
小池都知事宛の質問書
http://www.2020okotowa.link/20170222chiji_moushiire/
「2020オリンピック災害」おことわり連絡会
http://www.2020okotowa.link/